PRODUCTION NOTES

わが子を人生のスタートラインで勝たせるため、有名校に入れようとする両親の奮闘記。 お受験! 子どもの試練は両親の戦場!『きっと、うまくいく』に続き、再びインドの教育問題を問う名作誕生!

なんとしてでも娘を有名校に入れたいと奮闘する、現代の教育問題を描くインド映画『ヒンディー・ミディアム』(北インドの主要言語、ヒンディー語で授業を行う学校を指す)。本作は教育の現状と競争の狂乱をコメディータッチで掘り下げ、貧富の差を浮かび上がらせ、理想の教育とは何かを観客に問いかける。主人公のミドルクラスの夫婦は、学齢期の娘を英語教育の有名校(イングリッシュ・ミディアム)に進学させようと、娘と一緒に予備校に通うだけでなく、貧困層のための入学枠を狙って低所得者家族になりすまし、何としてでも娘に有名校に合格させようと奮闘する。
コメディーで誇張されたフィクションに見えるが、実話がベースになっている。インドでは奇抜なことも起こるとはいえ、この物語は子を持つ親の万国共通の心の叫びや悩みであり、教育のネガティブな面を映し出している。笑い満載の物語ではあるが、受験競争の悪習を映し出し、社会の狂乱ぶりを反省させられる。 本作はインド国内で6.9億ルピーという大ヒットを収め※、インドでは国際インド映画アカデミー賞監督賞、フィルムフェア賞作品賞などを受賞。中国での公開時には、興収2.1億元(日本円で約33億円※2019年7月17日現在のレート)という好成績を収めた。さらに海外の映画評でも、「さわやかで愉快な、心のカンフル剤のよう」「あらゆる人が見るべき映画。全世界が少子化の波に襲われる今、我々は子供の未来にとって何が大切かを考える必要がある!」などと絶賛された。世界中でヒットした『きっと、うまくいく』(09)同様、『ヒンディー・ミディアム』は、教育問題に疑問を投げかけ、多くの観客の共感を得た。(※資料出典:koimoi.com)

イルファーン・カーンとサバー・カマルが
家族思いのパパと教育ママに変身

イルファーン・カーン(Irrfan Khan)はデビュー以来、インド映画だけでなくハリウッド映画にも出演し、数々の賞を受賞した実力派俳優。日本でも、『その名にちなんで』(06)『スラムドッグ$ミリオネア』(08)『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(12)『めぐり逢わせのお弁当』のほか、ハリウッド映画『ジュラシック・ワールド』(15)『インフェルノ』(16)などが公開されている。『ヒンディー・ミディアム』では娘の将来に期待する裕福な父親を演じ、インディアン・エクスプレス紙(The Indian Express)の年間最優秀男優第2位に選ばれた。インタビューで「この映画が映画批評家と一般の観客双方から評価され、人気を呼んだことがとてもうれしい。『ヒンディー・ミディアム』は現代のリアルな寓話であり、私が演じた役柄は、映画に自由な創意と理想を現実化するキャラクターだった。教育問題をコメディータッチで描いたことで、多くの人々に受け入れられ、熱い議論を巻き起こした」と語っている。
教育ママを演じるサバ-・カマル(Saba Qamar)はパキスタンの「ドラマ女王」と呼ばれる女優。パキスタンで最も人気があり、ギャラもトップクラスだ。2005年のデビュー以来30作近いテレビドラマに出演。『ヒンディー・ミディアム』で初めてインド映画にも出演した。サバー・カマルは、イルファーン・カーンとの夫婦役はとても楽しかったと振り返るとともに、彼の誠実さと謙虚さを絶賛している。

インド版アカデミー賞で大勝
『ヒンディー・ミディアム』が作品賞と
主演男優賞をダブル受賞

イルファーン・カーンは、過去に「インドのアカデミー賞」といわれるフィルムフェア賞で評論家が選ぶ最優秀男優賞を受賞しているが、『ヒンディー・ミディアム』で初めて、最優秀主演男優賞も受賞した。その際には「『ヒンディー・ミディアム』は誠実で感動的な物語である。人の心の奥底を揺り動かすストーリーは、前向きな力と、社会の進歩的な改革をもたらすだろう。フィルムフェア賞と観客の支持に感謝すると同時に、本作に関わったチーム全員におめでとうと言いたい!」とコメントを発表している。
ハリウッドでも活躍するイルファーン・カーンは言う。「最近の映画作品は地域の独自性を加えた作品が増え、ハリウッドだけが主流ではなくなってきている。一方インド映画でも、新しいテーマが求められている。巨大市場であるインド映画業界において、新しいスタイルを持つ映画製作がより求められていくだろう」
ヒンディー映画=ボリウッド(商都ムンバイの旧称とハリウッドの掛け合わせ)といえば豪華なダンスシーンが思い浮かぶが、『ヒンディー・ミディアム』は、典型的なボリウッド映画のスタイルを脱し世界共通の問題を描くことで、観客の共感を得た。

国内外で高評価

本作はインドのメディアで多くの好評を得て、インドで最大の発行部数を誇る英語紙ザ・タイムズ・オブ・インディアで4つ星を獲得。「本作は、インド最大の発行部数を誇る英語紙ザ・タイムズ・オブ・インディアで4つ星を獲得。「英語の運用能力は、階層を示す記号とも言え、上昇志向のある者にとって、英語は欠かせない。本作は、富裕層と貧困層の格差を詳細に描いている。ミドルクラスの家族が、貧困家族と出会い、心を通わせる。不正受験を試みる家族を、貧困家族が助け、合格へと導くという皮肉な結果も描いた。予想通りの結末ながら、『ヒンディー・ミディアム』は教育システムの不平等を浮き彫りにした」と評した。
ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)も3.5個の星をつけ、こう評した。「ドラマではあるが非常にリアル。5つ星ホテルと見まがうような学校の描写など、ミドルクラスの人々間で話題になっている。劇中、有名校のお受験予備校の講師が『皆さん、妊娠3か月の時点で、私の指導を予約します』と言った時、笑うべきか泣くべきか分からなくなる。そして“貧しい人々”の力がボリウッド映画の主流を変えていくのを目の当たりにする。これは映画内での話であるが、この進歩的な影響力は止めることはできない。社会の競争が生んだお受験の狂乱ぶりをユーモラスで風刺的に描くこの作品は、洋の東西を問わず深い共感を呼ぶ」と評した。
インドでの公開後中国での大ヒットを受け、続編となる『Angrezi Medium(英語で授業を行う学校)』が製作されている。監督は交替するが、イルファーン・カーンが引き続き主演を務める。